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がんと就労~働きたいときに働けて、休みたいときに休める社会へ~

乳がんは40代~60代に多いがんです。
40代~60代と言えば、働き盛り。

15歳から64歳までの生産年齢人口における女性の就業率は平成28年で66.0%だそうです。

つまり、乳がんと診断されたとき、ざっと6~7割くらいの女性は、仕事に就いている計算になり、「治療をどうするか?」と同時に、

「仕事をどうするか?」

という判断を迫られているわけです。

仕事を辞めて治療に専念する人、

仕事を続けながら治療を行う人、

どちらにしろ、いろんなハードルが待っています。

仕事を辞める場合、経済的な問題がでてくるし、治療が一段落した時に、再就職しようとすると、ハードルがあがってしまいます。

仕事を続けたいという希望があっても会社や上司が病気に理解がない場合、治療と両立できずに途中で退職してしまう方もいます。

人手不足で辞めたくても辞められない、とか、自営業で自分が働かざるを得ない、という方だと、

今度は治療と仕事で、体力的に苦しくなってしまうこともあります。

仕事内容によっては、無理をしてしまい、リンパ浮腫を発症してしまうことも。

はんなりには、いろんな職種の方がいらっしゃいますが、治療と仕事を両立できた方は、病気がわかったときに働き方を見直して、少しペースダウンされる方が多いですね。

もし仕事を辞めて、治療に専念した後、また働きたいと思ったときはどうでしょうか?

がん患者の新規就労を取り巻く現状を見ると、がんという病気に対する偏見が、新規採用に不利に働いてしまう現実があります。

がん経験者の採用や治療と仕事の両立支援を行っている会社の例として2018/05/21付 西日本新聞朝刊に佐賀共栄銀行やキューサイが取り上げられていました。

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/419968/

逆に言うと、新聞記事になるくらい珍しい取り組みだということです。
佐賀共栄銀行やキューサイのように、「病気のあるなしでなく人物本位で判断」して新規採用してくれる企業は少数だと感じます。

「一億総活躍社会」「働き方改革」によって、働きたいがん患者は働くことができ、休みたい時にはいつでも休むことができる社会になって欲しいと思います。

中野 郁子

この記事を書いた人中野 郁子(なかの いくこ)

乳がん女性の駆け込み寺 はんなりを運営しています。
母をがんで亡くした後、がん患者さんとその家族を支える仕事がしたいと転職。
久留米市の病院に勤務後、2016年に開業しました。
理学療法士、アロマセラピスト、ピンクリボンアドバイザー、乳がん啓発運動指導士の資格があります。

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