「ホルモン治療って、地味に辛いんですよね。」
これは、はんなりに通われているお客様からよく聞く言葉です。
乳がんの手術や抗がん剤治療を終えると、「これでひと安心ですね」と声をかけられることがあります。
もちろん、大きな治療を乗り越えた安心感はあります。
でも、その後もホルモン治療が続き、日々の生活の中でさまざまな不調に悩まれている方が少なくありません。
見えない副作用が続く毎日
ホルモン治療では、
- 関節の痛みやこわばり
- ホットフラッシュ(ほてり・発汗)
- むくみ
- 倦怠感
- 手足のしびれ
など、目には見えにくい副作用が現れることがあります。
ひとつひとつは命に関わる症状ではないかもしれません。
それでも毎日続くことで、仕事や家事、育児など、いつもの生活が少しずつ大変になっていきます。
「これがあと何年も続くの?」という不安
ホルモン治療は5年、場合によっては10年続くこともあります。
治療を始めた頃は気にならなかった症状が、時間の経過とともに強くなったり、更年期の症状と重なって日常生活に影響が出てくる方もいらっしゃいます。
そして、多くの方が口にされるのが、
「これがあと何年も続くの?」
という不安です。
先の見えない治療に、「10年続くと思うと気持ちが沈んでしまう」「終わりが遠く感じる」と話される方も少なくありません。
「地味に辛い」という言葉には、毎日少しずつ積み重なる身体のつらさだけでなく、その先の長い治療への不安も込められているように感じます。

「元気そうだから大丈夫」と思われてしまうつらさ
ホルモン治療の副作用は、外からは見えにくいものがほとんどです。
そのため、
「もう治療は終わったんでしょう?」
「元気そうでよかったね」
と言われることもあります。
もちろん悪気があるわけではありません。
でも、その一言で
「このつらさは誰にもわかってもらえない」
と感じてしまう方もいらっしゃいます。
例えばホットフラッシュは、突然汗が噴き出し、体温が一気に上がるような感覚になります。
ウィッグを着けている方にとっては、その暑さがさらに負担になることもあります。
だからこそ、見えないつらさへの理解がとても大切です。
周囲の小さな配慮が支えになります
ホルモン治療中は、環境を少し工夫するだけでも過ごしやすくなることがあります。
例えば、
- 室温を少し低めに調整する
- 通気性のよい服装や制服を選ぶ
- 重ね着で体温調節しやすくする
- こまめに水分を補給する
こうした小さな配慮が、毎日の負担を軽くしてくれます。
ご家族や職場の方が「見えないつらさがあるかもしれない」と理解してくださるだけでも、大きな支えになります。

我慢しすぎないでください
副作用が強く、日常生活に支障が出ている場合は、一人で我慢し続ける必要はありません。
主治医に現在の症状を伝え、薬の種類や治療方針について相談することも大切です。
また、更年期症状やホルモン治療の副作用に対しては、アロマテラピーなどのリラクゼーションによって、不快感がやわらぐと感じる方もいらっしゃいます。
身体を整えることも、長い治療と付き合っていくための大切なセルフケアのひとつです。
はんなりで大切にしていること
はんなりには、ホルモン治療を続けながら生活されている方も多くお越しになります。
施術を受けながら、治療のこと、仕事のこと、ご家族のこと…。
誰にも言えなかった気持ちを、ぽつりぽつりと話してくださる方も少なくありません。
身体を整えることと同じくらい、「安心して話せること」を大切にしたい。
それが、理学療法士として、そして「はんなり」が皆さまにお届けしたいケアです。
長い治療だからこそ、「頑張り続けること」だけではなく、「上手に休みながら続けること」も大切な治療の一部です。
つらい日は、つらいと言っていい。
一人で抱え込まず、時には肩の力を抜いて、自分自身をいたわる時間もつくってください。
治療のその先も、その人らしい毎日を送れるよう、はんなりはこれからも寄り添っていきます。

乳がん術後ケア理学療法士 中野郁子

前の記事

