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がんの転移や再発は敗北ではありません

お客様から、乳がんが転移しているとお知らせを受けました。

標準治療を受け、主治医の指導を守り、
食生活やストレスにも配慮しておられるのを知っているだけに
私もショックでした。

だけど、私の役割は、

「がん細胞を死滅させること」

ではなくて、

「がんであっても最期まで生活の質を守ること」

です。

転移したから、私の役割がなくなるわけではないのです。

確かに、大切なお客様が転移や再発によって
心身ともに苦しめられるのを見るのは辛い。

願わくは、お客さま全員が、がんを克服して、
転移も再発もしないで欲しいという気持ちはあります。

でも、不老不死が可能にならない限り、それは難しいことです。

再発してからも人生は続く

転移のことを、私を信頼して話してくださったお客様に対して、
私ができることは何だろう。

今から、私ができること、お役に立てること、きっと、たくさんあるはず。
だから「私がショックを受けている場合じゃない」と思えました。

がんを治すことに主眼を置くと、
転移や再発は、がんと闘った結果の敗北に見えてしまいます。

でも、多くの場合、人生の目的は、
病気と闘うことではないし、
転移や再発をしたから、すぐに人生のゴングが鳴るわけでもない。

転移や再発の後も、人生は続くし、どんなときも、自分らしく生きることは可能だと、
これまでに出会った、いろんな患者さんに教えられてきました。

病と闘って負けること

がんと闘うと言いますが、人は、がんに勝ったり負けたりするのでしょうか?

人が不老不死にならない限り、がんに限らず、病との戦いは負け戦です。

病院に勤務している時、患者さんの容態が悪化することは、
私たち医療職のかかわりが間違っているか、足りなかったのだ、
という感じがありました。

容態が悪くなればなるほど、かかわれる範囲が狭まり、
患者さんにしてあげられることが減るような感じもありました。

思えばそれは敗北感に近い感情でした。

中野 郁子

この記事を書いた人中野 郁子(なかの いくこ)

乳がん女性の駆け込み寺 はんなりを運営しています。
母をがんで亡くした後、がん患者さんとその家族を支える仕事がしたいと転職。
久留米市の病院に勤務後、2016年に開業しました。
理学療法士、アロマセラピスト、ピンクリボンアドバイザー、乳がん啓発運動指導士の資格があります。

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