~病気があっても、その人らしく暮らせる社会へ~
最近読んだ一冊に、とても心に残る本がありました。
『注文をまちがえる料理店』(小国士郎 著)
認知症のある方がホールスタッフとして接客をする、実在のレストランをもとにした本です。
「注文をまちがえるかもしれない。」
そんな前提を、お客様もスタッフも自然に受け入れています。
そのコンセプトを知っただけで、私はとても惹かれました。
「できないこと」ではなく、「できること」に目を向ける

理学療法士として病院で働いていた頃、私はたくさんの患者さんと出会いました。
病気や手術によって、それまで当たり前だった生活が変わってしまう。
身体の不自由さだけではなく、
仕事や家事、子育て、人との付き合い方など、
さまざまな悩みを抱えながら暮らしている方も少なくありませんでした。
だからこそ私は、
「病気があるからできない。」
ではなく、
「病気があっても、その人らしく暮らすにはどうしたらいいだろう。」
という視点を大切にしたいと思っています。
学生時代に出会った「ノーマライゼーション」という考え方

学生の頃、「ノーマライゼーション」という考え方を学びました。
障害や病気、年齢に関わらず、
誰もが住み慣れた地域で、その人らしく暮らしていける社会を目指すという理念です。
その考え方に触れたとき、
「こんな社会になったら素敵だな。」
と心から思いました。
この本に流れる、やさしい空気
『注文をまちがえる料理店』を読んで感じたのは、
間違えないことよりも、
そこに集まる人たちがお互いを思いやることの大切さでした。
できないことを責めるのではなく、
できることを一緒に喜ぶ。
少し時間がかかっても、
「大丈夫ですよ。」
と自然に声を掛け合える空気。
そんなやさしい時間が、この本には流れています。
『おっぱいエール』と重なった想い
以前ご紹介した『おっぱいエール』には、
「闘病だけが私たちの人生ではない」
という言葉がありました。
私はその言葉に、とても共感しました。
そして今回の『注文をまちがえる料理店』を読んで、
もう一つ、大切なことを教えてもらった気がします。
それは、
「病気があっても、その人らしく暮らしていい。」
ということです。
乳がんを経験しても、
認知症になっても、
年齢を重ねても、
その人の人生が病気だけで語られるわけではありません。
その人には、大切な人がいて、
好きなことがあって、
笑顔になる時間があります。
はんなりが目指していること

はんなりは、痛みや不調をケアするだけの場所ではありません。
身体を整えながら、
「また自分らしい毎日を過ごしたい。」
そんな気持ちを応援する場所でありたいと思っています。
病気があっても、
治療中でも、
少し不安な日があっても、
安心して過ごせる場所があること。
それも、その人らしい暮らしを支える大切な一つだと考えています。
『注文をまちがえる料理店』は、
そんな「やさしい社会」について考えさせてくれる一冊でした。

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