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乳がんと治療

乳房再建という選択肢|乳がん手術後の身体と心に寄り添うために

乳房再建という選択肢|乳がん手術後の身体と心に寄り添うために

~乳房再建とは?~

乳がんと診断されたとき、多くの方が最初に気になることの一つが、

「手術をすると、おっぱいはどうなるのだろう?」

ということではないでしょうか。

今回は、乳がんの手術方法と乳房再建について、理学療法士の立場からわかりやすくお話しします。


乳がんの手術にはどんな方法があるの?

乳がんの手術には、大きく分けて

  • 乳房温存手術
  • 乳房切除術

があります。

乳房温存手術は、がんとその周囲の組織を切除し、乳房をできるだけ残す方法です。

一方、乳房切除術は乳房全体を切除する手術ですが、近年では病状によって乳頭や皮膚を残せる場合もあり、手術方法は以前より多様になっています。

どの術式が選択できるかは、がんの広がりや大きさ、乳房とのバランスなどを総合的に考えて決められます。


乳房再建について説明する医者

再建を選ぶ人・選ばない人、それぞれの選択

「乳房を残せるなら、みんな温存手術を選ぶのでは?」

そう思われるかもしれません。

しかし実際には、温存手術が可能と言われても、乳房切除術を選択される方もいらっしゃいます。

その理由は人それぞれです。

例えば、

  • 乳房再建術を選びたい
  • 再発への不安を少しでも減らしたい
  • 放射線治療を避けたい

など、生活や価値観によって選択は変わります。

乳房再建についても同じことがいえます。

乳房を切除したあとに再建を選ばない方も、たくさんいらっしゃいます。

もちろん、病状や治療内容によって選択肢が決まることもあります。

そのうえで、乳房を温存するか切除するか、乳房再建を行うか行わないかなど、乳がんの手術では大切な選択を重ねていくことになります。

どの選択にも正解・不正解はありません。

それぞれの価値観や生活、これからの人生を考えながら、自分にとって納得できる道を選ぶことが何より大切です。

大切なのは、「どちらが正しいか」ではなく、ご自身が納得して選ぶことです。


インプラント再建と自家組織再建

乳房切除術を受ける場合には、乳房再建という方法もあります。

乳房再建とは、形成外科の技術によって乳房のふくらみを再現する方法です。

方法には、

  • インプラント(人工乳房)を用いる方法(インプラント再建)
  • ご自身のお腹や背中などの組織を使う方法(自家組織再建)

などがあります。

どちらの方法にも、メリットとデメリットがありますので、ご自分に合った方を選べると良いですね。

一次再建と二次再建の違い

乳房再建を行うタイミングは、乳房を切除する手術と同時に行う「一次再建」と、がんの治療が落ち着いてから行う「二次再建」があります。

どちらを選ぶかは、病状や治療内容、ご本人の希望などを踏まえて医師と相談しながら決めていきます。

ただし、「一次再建」を選ぶ場合には、手術までに決める必要があるので、不安を感じることがあるかもしれません。

もし、手術までに決心がつかなくても大丈夫です。

心が落ち着いてからゆっくり考えて、「二次再建」をする選択肢もあります。


乳頭・乳輪の再建という選択肢

自分らしい選択をイメージする植物の写真

乳房の形を整えたあとに、乳頭や乳輪を再建することもできます。

再建の方法には、ご自身の皮膚を使って乳頭をつくる方法や、医療用のタトゥー(アートメイク)で乳輪や色調を再現する方法などがあります。

乳頭・乳輪の再建によって、「家族とお風呂に入れるようになった」「鏡を見るのが辛くなくなった」と言われるお客様もいらっしゃいます。

一方で、乳房はふくらみだけあれば良いと「乳頭・乳輪まで再建はしない」という方も多いです。

乳房再建と同じように、乳頭・乳輪の再建にも正解はありません。

「どこまで再建したいか」「自分らしく過ごせるか」は、人それぞれ異なります。

大切なのは、周りと比べることではなく、自分が納得できる選択をすることです。

再建を希望する場合に知っておきたいこと

乳房再建は保険診療の対象となる方法も増え、以前より選択しやすくなりました。

一方で、再建も手術であるため、身体への負担や回復までの期間、合併症のリスクなどについて理解しておくことも大切です。

また、医療機関によっては形成外科がない場合もあるため、再建を希望される場合は、早めに主治医へ相談すると安心です。


あなたらしい選択を大切に

自分らしい毎日を歩む女性の後ろ姿

私は病院で多くの乳がん術後の女性と関わってきました。

その中で感じたのは、

「正解は一つではない。」

ということです。

乳房を残すことを大切に考える方。

再建を希望される方。

再建は希望せず、そのままの身体で生活することを選ばれる方。

どの選択にも、その方なりの理由があります。


最後に

乳がんになったからといって、必ずしも乳房をすべて失うわけではありません。

現在は、病状やライフスタイルに合わせてさまざまな治療や再建の選択肢があります。

大切なのは、不安だけで決めるのではなく、正しい情報を知り、ご自身が納得できる選択をすることです。

乳房再建を選ぶことも、選ばないことも、どちらも大切な選択です。

正解は一つではありません。

あなたが「これでよかった」と思える選択ができるように、必要な情報を知り、自分の気持ちを大切にしてください。

はんなりは、どんな選択をされた方にも寄り添いながら、乳がん手術後の身体と心のケアをお手伝いしています。

中野 郁子

この記事を書いた人中野 郁子(なかの いくこ)

乳がん女性の駆け込み寺 はんなりを運営しています。
母をがんで亡くした後、がん患者さんとその家族を支える仕事がしたいと転職。
久留米市の病院に勤務後、2016年に開業しました。
理学療法士、アロマセラピスト、ピンクリボンアドバイザー、乳がん啓発運動指導士の資格があります。

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