~だから「はんなり」を始めました~
乳がんの治療は、手術を受けたら終わりではありません。
その後も、薬物療法や放射線治療、経過観察などが続く方も多く、治療と生活を両立しながら毎日を過ごしていくことになります。
そして、身体の回復と同じくらい大切なのが、生活の質(QOL)です。
退院してから始まる生活
退院すると、それまで病院で過ごしていた時間から一転して、日常生活が始まります。
仕事への復帰。
家事。
子育て。
介護。
それぞれの生活が待っています。
そんな中で、ふと不安になることはありませんか?
「布団を干しても大丈夫かな。」
「腕がだるいけれど、このままでいいのかな。」
「肩こりがひどいけれど、マッサージを受けても大丈夫?」
日常生活には、小さな疑問がたくさんあります。

「こんなこと聞いてもいいのかな」
病院での外来診察は、限られた時間の中で行われます。
そのため、多くの方が、
「先生に聞きたいことはあるけれど、診察の時間では聞ききれなかった。」
「治療のことは聞けても、生活のことまでは相談しづらかった。」
そんなお気持ちを話してくださいました。
もちろん、医療スタッフは一人ひとりに寄り添いたいという思いで関わっています。
一方で、診療時間には限りがあり、生活の細かな困りごとまで十分にお話しすることが難しい場面もあります。
だからこそ、退院後に安心して相談できる場所が必要なのではないかと感じるようになりました。
私が出会ってきた悩み
病院で理学療法士として乳がん術後のリハビリに携わる中で、多くの方からこんなお話を伺いました。
- 肩や腕が動かしにくい
- 傷あとがつっぱる
- リンパ浮腫が心配
- 仕事に復帰しても身体が思うようについていかない
- 家事や育児をどこまでしていいのかわからない
- 誰に相談したらいいのかわからない
身体の不調だけではありません。
「相談できる場所がないこと」
そのこと自体が、大きな不安になっている方も少なくありませんでした。
揺れ動く気持ちにも寄り添いたい
乳がんの治療では、身体だけでなく、心も大きく揺れ動きます。
「治療が始まって安心した。」
そう思う一方で、
抗がん剤やホルモン療法の副作用がつらく、
「早く終わってほしい。」
と感じる日もあります。
そして、治療が終わる頃になると、
「やっと終わった。」
という安堵の気持ちと同時に、
「これからは病院へ行く機会が減る。」
「本当に大丈夫なのだろうか。」
という不安が湧いてくる方も少なくありません。
治療が続くことにも葛藤があり、
治療が終わることにも葛藤がある。
そんな複雑な気持ちは、決して特別なものではありません。
私は病院で多くの女性と関わる中で、そのような揺れ動くお気持ちをたくさん伺ってきました。
だからこそ、はんなりでは、身体のケアだけでなく、その時々の気持ちにも寄り添える場所でありたいと思っています。

はんなりを始めた理由
私は、そのようなお悩みに寄り添える場所をつくりたいと思いました。
病院での治療は、とても大切です。
そして、退院後の生活を支える場所も、同じように大切だと考えています。
だから私は、
「乳がんを経験された女性が、安心して身体を任せられ、何でも相談できる場所をつくろう。」
そう決意しました。
はんなりだからできること
はんなりでは、身体を整えることはもちろん、
「こんなこと聞いてもいいのかな。」
と思うような小さな不安も、安心してお話しいただけます。
肩こり。
腕の違和感。
リンパ浮腫の予防。
仕事への復帰。
日常生活で気を付けること。
そして、
治療中の不安や、副作用によるつらさ。
治療が終わったあとの安心と不安が入り混じる気持ち。
そんな言葉にしにくいお気持ちも、一人で抱え込まずにお話しください。
身体を整えることと同じくらい、
「安心して話せること」
を大切にしたい。
それが、理学療法士として、そしてはんなりが皆さまにお届けしたいケアです。
最後に
乳がんの治療は、人生の一場面です。
治療が終わったあとも、その方らしい生活は続いていきます。
だからこそ、身体を整えることと同じくらい、
「安心して話せる場所があること」
を大切にしたいと思っています。
嬉しいことも、不安なことも、迷うことも。
その時々の気持ちに寄り添いながら、一緒に歩んでいける存在でありたい。
はんなりは、治療後も自分らしい毎日を過ごしたいと願う女性を、支える場所であり続けたいと考えています。
あわせて読みたい
- ▶ 役割を少しだけ降ろして|乳がん治療後こそ「自分のための時間」を
- ▶ 乳がん手術後に腕が上がらない3つの原因とは?痛み・つっぱり・不安について
- ▶ 理学療法士の私が病院を辞めて独立した理由|乳がん術後専門サロン「はんなり」に込めた想い
- ▶ がんは「家族の病」|支える人にもケアが必要です
- ▶ 「地味につらい」ホルモン療法の副作用|見えないつらさをひとりで抱えないで


前の記事