乳がん術後のブラは、傷あとや締め付け、胸の形の変化などを考えながら選ぶ必要があります。
乳がんの手術をしたあと、
「今まで使っていたブラが痛い」
「ワイヤーが傷に当たる」
「脇のあたりが締め付けられる」
「胸の形が変わって、どんなブラを選べばいいのかわからない」
そんなご相談を受けることがあります。
乳がん術後の下着選びには、実は「これが正解」というものはありません。
手術の方法や傷の状態、胸の形、痛みやつっぱり感、むくみの有無などによって、心地よく感じる下着は人それぞれです。
今回は、はんなりのお客様から実際に伺った工夫や、乳がん術後向けの下着、身近なブラトップなどについてご紹介します。
乳がん術後のブラ選びで大切にしたいこと

まず大切なのは、「着けていて楽かどうか」です。
ブラを選ぶときには、次のようなところをチェックしてみてください。
- 傷あとに縫い目やレースが当たらない
- ワイヤーが傷や脇に当たらない
- アンダーバストや脇が食い込まない
- 締め付けが強すぎない
- 肌触りがやさしい
- パッドを入れても窮屈にならない
- 着脱しやすい
- 汗をかいたときに蒸れにくい
- 洗濯しやすく、清潔を保ちやすい
そして、もう一つ大切なのが、
「自分がそのブラで一日を過ごしてみて、楽かどうか」
です。
お客様から伺った「こんな工夫をしています」
これまでお客様から、ブラについていろいろな工夫を教えていただきました。
授乳用ブラを使う

授乳用ブラを使っているという方もいらっしゃいます。
締め付けが比較的少なく、着脱しやすいことから、術後の下着として使いやすいと感じる方もいるようです。
今まで使っていたブラのワイヤーを抜く
「今まで使っていたブラを捨てるのはもったいないから、ワイヤーを抜いて使っています」
という方も。
自分が使い慣れたブラを、身体に合わせて工夫する方法です。
ただし、ワイヤーを抜くことでブラの形が崩れたり、別の部分が当たったりすることもあります。
実際に着けてみて、違和感がないか確認しましょう。
手術後に使った胸帯を長く使う
手術直後に使っていた胸帯を、その後もしばらく使っている方もいらっしゃいます。
「これが一番楽だから」
という理由です。
術後の身体が落ち着いたあとも、家でゆっくり過ごすときなどに、楽な下着を選ぶことは一つの方法だと思います。
乳がん術後は、下着だけでなく、わきのお手入れでも『傷に当てない』『刺激を避ける』ことを気にされる方がいらっしゃいます。
下着になると気になるムダ毛のお手入れについてはこちらの記事をご覧ください。
ブラトップを愛用している方も多いです
ユニクロなどのブラトップを愛用されている方もいらっしゃいます。
ワイヤーのないタイプで、普段の洋服にも合わせやすく、身近なお店で購入できることも使いやすさの一つです。
「乳がん術後だから、専用の下着を買わなければいけない」
ということではありません。
ただし、ブラトップも商品によってフィット感や締め付け感は異なります。
胸や脇に当たる部分、アンダーバストの締め付け、カップの位置などを確認して、無理なく着けられるものを選びましょう。
腕や脇のむくみが気になる方は、下着だけでなく、リンパ浮腫についても正しく知っておくと安心です。
乳がん術後専用のブラもあります
ワコールの「リマンマ」のように、乳房の手術を受けた方のために作られた下着もあります。
術後の身体に合わせて、肌あたりや着脱のしやすさ、パッドを入れるポケットなどに配慮された商品があります。
例えば、リマンマでは術後まもない時期には、ゆったりとした着け心地のブラジャーや軽量のパッドを案内しています。
専用の下着には、一般のブラジャーとは違った工夫があります。
一方で、
「専用のブラを買わなければいけない」ということではありません。
また、専用下着やパッドは商品によって価格もさまざまです。
必要性や予算、自分の身体の状態を考えながら、選択肢の一つとして考えてみてください。
胸に入れるパッドは「暑さ」も気になります
乳がんの手術後、左右のバストの大きさや形を整えるためにパッドを使う方もいらっしゃいます。
ところが、
「パッドを入れると暑い」
という声を伺うことがあります。
特に夏は、パッドとブラ、洋服が重なることで、胸まわりに熱がこもったり、汗をかいたりすることがあります。
そのため、ブラだけでなくパッドについても「暑さ」「蒸れ」「汗」まで考えて選ぶことが大切です。
例えば、
- 汗を吸いやすいか
- 蒸れにくいか
- 通気性があるか
- パッドを入れても窮屈にならないか
- 汗をかいたときに肌への刺激が強くならないか
- 洗濯やお手入れがしやすいか
なども確認してみましょう。
術後用のパッドにも、軽量タイプや通気性に配慮されたものなど、いろいろな種類があります。ワコールのリマンマでも、術後の時期や状態に合わせて複数のパッドが用意されています。
「パッドを入れると暑い」という方は、パッドの素材や重さ、通気性を変えてみることも選択肢になります。
こんなブラを見つけました
最近、テレビ番組「ガイアの夜明け」で紹介されていた商品が気になりました。
それが、ファミリーマートの「ブラウェア」です。
乳がん術後専用の商品ではありません。
ただ、商品説明を見ると、
- 成形編みで薄く、肌触りがよい
- 伸縮性が高く、締め付けが少ない
- 脇や裾に縫い目がない
- 成形カップを内蔵している
という特徴があります。サイズはM・L、素材はナイロン・ポリウレタンで、ファミリーマート公式サイトでは税込2,290円と案内されています。
もちろん、乳がん術後の方すべてに合うという意味ではありません。
また、実際の着け心地や汗の感じ方などには個人差があります。
でも、
「乳がん専用ではなくても、こういう選択肢もあるんだ」
と知っておくことは、ブラ選びに悩んでいる方にとって役立つのではないかと思います。
「乳がん術後だから、これ」という正解はありません
乳がん術後のブラ選びについて調べると、
「専用のブラを買ったほうがいいのかな」
と思うかもしれません。
でも、お客様のお話を聞いていると、本当にいろいろです。
授乳用ブラを使う方。
ワイヤーを抜いて、今までのブラを使う方。
胸帯を長く使う方。
ブラトップを使う方。
専用のブラを選ぶ方。
どれが正解ということではありません。
大切なのは、そのときの自分の身体に合っていること。
傷に当たらないこと。
締め付けすぎないこと。
汗をかいてもできるだけ不快にならないこと。
そして、何より、
「これなら一日楽に過ごせる」
と思えることです。
手術直後は、身体の状態を優先してください
手術直後は、傷や腫れ、痛みなどがある時期です。
この時期は、見た目を整えることよりも、まず身体の状態を優先しましょう。
医療者から下着について指示を受けている場合は、その指示に従ってください。
また、傷の状態が気になるときや、下着が当たって痛みが続くときには、無理をせず主治医や医療スタッフに相談しましょう。
国立がん研究センターは、乳房手術後の下着について、傷の治り具合や再建手術の有無・方法によって選び方が変わること、手術直後は傷が擦れたり締め付けられたりしないようなゆったりした下着がよいこと、前開きタイプやノンワイヤータイプが便利であることを案内しています。
下着も「自分らしく過ごすためのもの」

乳がんの手術をすると、
「前と同じように洋服を着られるかな」
「胸の形が気になる」
「ブラジャーは何を選べばいいんだろう」
と、いろいろなことが気になるかもしれません。
でも、下着選びにも「こうしなければいけない」という決まりはありません。
身体の変化に合わせて、今の自分に合うものを探していけばいいのです。
高価な専用品でなくても、
身近なブラトップでも、
今まで使っていたブラを工夫したものでも。
「自分が楽に過ごせること」
を、一番大切にしてみてください。
はんなりでは、乳がんの手術後も、その方ができるだけ心地よく、そして自分らしく毎日を過ごせるように、身体のことだけでなく、日々の小さな困りごとも一緒に考えていきたいと思っています。
「こんなこと、相談していいのかな?」
と思うようなことも、どうぞ一人で抱え込まないでください。
治療が終わったあとも、一人じゃない。
そんな気持ちで、はんなりは女性の人生に寄り添っていきます。

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