「手術した側を下にして寝ても大丈夫ですか?」
「寝返りをして、傷に負担がかからないでしょうか?」
「退院したけれど、どこまで動いていいのかわかりません」
乳がんの手術後、そんな不安を感じる方は少なくありません。
特に、入院中に継続したリハビリを受ける機会がなく、そのまま自宅へ帰った方は、
「動かしてはいけないのでは?」
「手術した側は、向かないほうがいいのでは?」
と、身体をかばいながら過ごしていることがあります。
でも、術後の身体を大切にすることと、いつまでも身体を固めておくことは、少し違います。
今回は、乳がん手術後の「寝返り」や「姿勢」についてお話しします。
手術後は、寝返りが怖くなることがあります

手術を受けたばかりの頃は、傷の痛みやつっぱり感があります。
胸や脇に違和感があったり、腕を動かすことに怖さを感じたりすることもあります。
そのため、
- 手術した側を下にできない
- 寝返りができない
- いつも同じ方向を向いて寝ている
- 身体を動かすと傷が開きそうで怖い
ということがあります。
これは、決しておかしなことではありません。
手術をしたばかりなのですから、自分の身体を守ろうとして慎重になるのは自然なことです。
「動かせない」のではなく、「動かしていいのかわからない」
乳がんの手術後、特に継続したリハビリを受けることなく自宅へ帰った方は、
「どこまで動いていいの?」
「手術した側を下にしていいの?」
「腕を動かしても大丈夫?」
「寝返りをしても大丈夫?」
と、不安になることがあります。
身体に問題があるというより、
「動かしていいのかわからないから、動かせない」
ということもあるのです。
だからこそ、術後の生活では「何をしてはいけないのか」だけではなく、
「少しずつ、何ができるようになっていけばいいのか」
を知ることも大切だと思っています。
入院中の安静を、退院後もずっと続けなくてはいけないわけではありません
手術直後には、安静が必要な時期があります。
ただ、その後の回復に合わせて、少しずつ日常の動作を取り戻していくことも大切です。
もちろん、手術の内容や傷の状態、ドレーンの有無、乳房再建の有無などによって注意点は異なります。
主治医から姿勢や動作について個別の指示がある場合は、その指示を優先してください。
そのうえで、身体の状態を見ながら、少しずつ姿勢を変えていきます。
ずっと同じ姿勢でいることだけが、身体を守る方法ではありません。
「こちらを向いてはいけない」と気をつけすぎなくても大丈夫

術後、
「手術した側を下にしてはいけない」
「この方向には向かないほうがいい」
と思って、身体をかばい続ける方がいらっしゃいます。
もちろん、手術直後には傷の状態などによって注意が必要です。
でも、主治医から特別な制限を受けていないのであれば、回復に合わせて少しずつ身体を動かしていくことも大切です。
「こちらを向いてはいけない」
「動かしたら傷に悪いかもしれない」
と気をつけ続けることで、身体に力が入り、肩や背中まで緊張してしまうことがあります。
身体は、怖いと思っていると自然に力が入ります。
そして、力が入った状態が続くと、ますます身体を動かしにくく感じることがあります。
身体を守ることと、身体を固めることは違います
術後の身体を大切にすることは、とても大事です。
でも、
「身体を守ること」と「身体を固めておくこと」は、少し違います。
痛みがあるから動きを小さくする。
傷を気にして身体をかばう。
それは術後の自然な反応です。
そこから少しずつ、
「今日は右を向いてみよう」
「左も少し向けるかな」
「昨日より楽に動けるかもしれない」
と、できることを増やしていきます。
その積み重ねが、日常生活を取り戻していくことにつながります。
はんなりでは、安心できる姿勢から少しずつ練習します

はんなりでは、再建術を受けた方については、特に個別の注意が必要と考えています。
再建術以外の方についても、もちろん一律ではありません。
主治医に確認し、その方の手術内容や傷の状態を確認したうえで、無理のない範囲で姿勢を変える練習をしていただくことがあります。
「手術したところを下にするのが怖い」
「寝返りをすると痛そう」
そんなときは、いきなり頑張って動くことはしません。
クッションや胸当てなどを使いながら、身体を支え、安心して姿勢を変えられるようにサポートします。
右を向いてみる。
左を向いてみる。
少し身体を横にしてみる。
できる方には、うつぶせの姿勢も試していただきます。
もちろん、
「うつぶせにならなければいけない」
ということではありません。
その方が痛みなく、安心してできる範囲で行います。
そして、サロンで実際にやってみて、
「思っていたより痛くない」
「これならできるかもしれない」
と感じられることがあります。
この「できた」という経験は、とても大切です。
一度、安心して姿勢を変えられた経験があると、
「家でもやってみようかな」
と、自宅でも少しずつ一人で寝返りができるようになる方が多くいらっしゃいます。
もちろん、すぐにできなくても大丈夫です。
その日の身体の状態に合わせて、できるところから始めます。
大切なのは、無理に動かすことではありません。
「痛みなくできる方法がある」
と知ってもらうこと。
そして、
「自分の身体は、少しずつ動かしていける」
という安心感を持ってもらうことです。
「早く元通り」ではなく、「少しずつ」でいい
術後は、
「早く普通の生活に戻らなくては」
と焦ってしまうことがあります。
でも、身体は手術を受けたばかりです。
一日で元通りになる必要はありません。
昨日より少し楽に寝返りができた。
少し身体を横に向けられた。
ベッドから起きるのが少し楽になった。
そんな小さな変化で十分です。
「できたこと」に目を向けてみてください。
自宅に帰ってから、不安になったら

もし退院後、
「動かしていいのかわからない」
「寝返りが怖い」
「手術した側を下にしていいの?」
「腕はどのくらい動かしていい?」
と不安になったら、一人で判断して頑張りすぎなくても大丈夫です。
次の診察のときに、主治医や看護師さんに具体的に聞いてみてください。
「寝返りはしてもいいですか?」
「手術した側を下にしても大丈夫ですか?」
「腕はどのくらい動かしていいですか?」
こんな質問で大丈夫です。
「こんなことを聞いていいのかな」と思わなくて大丈夫。
退院してからの生活も、治療の大切な一部です。
少しずつ、あなたの身体を取り戻していきましょう
乳がんの手術を受けたあとは、身体だけでなく、心も緊張しています。
傷を気にしてしまう。
身体をかばってしまう。
「これをして大丈夫?」と何度も考えてしまう。
それは、あなたが自分の身体を大切にしているからこそです。
だから、焦らなくて大丈夫。
主治医に確認しながら、その日の身体の状態を見ながら、少しずつ姿勢を変えてみましょう。
右を向いてみる。
左を向いてみる。
身体を起こしてみる。
できる方は、少しずつうつぶせも試してみる。
そうやって、身体に
「もう少し動いても大丈夫」
と教えていく。
入院中の術後早期の安静を、そのまま自宅で続けなくてはいけないわけではありません。
あなたの身体は、少しずつ日常を取り戻していきます。
頑張って動かす必要はありません。
でも、怖さだけで身体を固め続けなくても大丈夫です。
ゆっくり。
少しずつ。
あなたらしい日常へ戻っていきましょう。
はんなりから
はんなりでは、乳がん手術後の身体について、
「肩が動かしにくい」
「寝返りが怖い」
「脇や胸がつっぱる」
「身体の左右差が気になる」
など、一人ひとりのお悩みを伺いながら、その方に合わせて身体を動かしていきます。
クッションや胸当てなども使いながら、できるだけ痛みや不安を減らして、「できた」という感覚を大切にしています。
サロンでできたことが、ご自宅での安心につながっていく。
そんなお手伝いができたらと思っています。
治療が終わったあとも、一人じゃない。
はんなりは、そんな場所でありたいと思っています。

※この記事は、乳がん手術後の姿勢や日常生活についての一般的な情報をお伝えするものです。手術の内容、傷の状態、乳房再建の有無などによって注意点は異なります。主治医から個別の指示を受けている場合は、その指示を優先してください。また、痛みや腫れ、傷の状態に変化がある場合は、無理に動かさず医療機関へご相談ください。
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