~毎日の生活でできるセルフケア~

乳がんの手術を受けると、
「術後はどんなことに気を付ければいいの?」
と不安になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、乳がん術後によくみられる症状と、毎日の生活でできるセルフケアについてお話しします。
術後によくみられる症状
乳がん手術後には、次のような症状がみられることがあります。
- リンパ浮腫
- 肩や腕の動かしにくさ(可動域制限)
- 肩や背中のこりや痛み
- 傷あとや皮膚のつっぱり感
- 腕や胸のしびれ・違和感
すべての方に起こるわけではありませんが、早めに気付き、適切に対応することが大切です。
肩や腕の動かしにくさについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
リンパ浮腫のリスクは以前より低くなっています
以前は、腋のリンパ節を広い範囲で切除することが多く、リンパ浮腫を発症する方も少なくありませんでした。
現在では、センチネルリンパ節生検など、必要最小限のリンパ節を調べる方法が普及し、リンパ浮腫のリスクは以前より低くなっています。
ただし、リンパ浮腫の発症にはさまざまな要因が関係します。
腋窩リンパ節郭清(わきのリンパ節を広く切除する手術)や放射線治療を受けた方では、リンパ浮腫のリスクが高くなることが知られています。
だからといって必ず発症するわけではありませんが、術式や治療内容にかかわらず、日頃から肌のケアや適度な運動など、無理なく続けられるセルフケアを心掛けることが大切です。
また、放射線治療を受けた部位は、時間の経過とともに皮膚や皮下組織が硬くなることがあります。
そのため、保湿やストレッチなどで皮膚や周囲の組織の柔軟性を保つことも、日々のセルフケアとして大切です。
リンパ浮腫と保湿の関係については、こちらの記事をご覧ください。
リンパ浮腫を予防するために

リンパ浮腫の予防で最も大切なのは、毎日の生活を少し意識することです。
例えば、
- 肌を清潔に保ち、しっかり保湿する
- 虫刺されや切り傷、やけどに注意する
- 紫外線対策を心掛ける
- 締め付けの強い衣類やアクセサリーを長時間身につけない
こうした小さな積み重ねが、皮膚を守ることにつながります。
「重いものを持たない」は本当?
よく、
「重いものは持ってはいけませんか?」
という質問をいただきます。
乳がんを経験される年代は、仕事や家事、子育てなどで腕を使う機会が多い方も少なくありません。
そのため、すべての重い物を避けることは現実的ではありません。
大切なのは、
無理をしすぎないこと。
急に重い荷物を持ち続けたり、腕に強い負担がかかる作業を長時間続けたりすることは避け、体調をみながら少しずつ身体を使っていくことが大切です。
普段使っているバッグを工夫して、手術した側の肩や腕に負担がかからないようにするのもよいですね。
荷物を複数のバッグに分けたり、ウェストポーチを使ったりと、皆さん色々と工夫されているのを見かけます。
長時間同じ姿勢を続けないこともポイント

デスクワークや家事などで、長時間腕を下げたまま同じ姿勢を続けると、腕のだるさやむくみを感じることがあります。
そのようなときは、
- 肩をゆっくり動かす
- 軽く腕を上げ下げする
- ときどき姿勢を変える
など、こまめに身体を動かすことを意識してみましょう。
以前のブログでもお伝えしたように、同じ姿勢を続けず、こまめに姿勢を変えることは、肩や首の負担を減らすだけでなく、リンパ液や血液の循環を保つことにもつながります。
乳がん手術後に身体を動かす場合に気を付けることについては、次の記事でも書いています。
▶乳がん術後のリハビリで大切なのは「ゆるめる」こと、そして「うごかす」こと
はんなりからひとこと

術後は、「これをしたら悪くなるのでは」と心配になることもあるかもしれません。
でも、必要以上に身体を動かさないことが、かえって肩の動かしにくさや筋力の低下につながることもあります。
大切なのは、不安から制限を増やすことではなく、ご自身の身体の状態に合わせて無理なく動かしていくことです。
はんなりでは、お一人おひとりの生活スタイルや治療内容に合わせて、無理なく続けられるセルフケアや身体の使い方をお伝えしています。
治療後も、自分らしい毎日を安心して過ごせるように。
そのためには、毎日の小さな積み重ねが大切です。
身体をいたわりながら、少しずつ動かし、肌を守ること。
その積み重ねが、これからの生活をより快適に過ごす力につながると、私は考えています。
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