先日、お客様から、乳がんが転移していることをご報告いただきました。
標準治療を受け、主治医の先生の指導を大切にしながら、
食事や生活習慣、ストレスにも気を配って過ごしてこられたことを知っているだけに、胸が締めつけられる思いでした。
それでも、お話をしてくださったことに感謝しています。
私は理学療法士です。
私の役割は、がんを治すことではありません。
「がんであっても、その人らしく生活できる時間を支えること」
それが私の仕事です。
だから、再発や転移をしたからといって、私の役割がなくなるわけではありません。
むしろ、そのような時だからこそ、お役に立てることがあると考えています。
再発や転移は「負け」ではありません

がんになると、多くの方が
「再発したら終わりなのでは…」
という不安を抱えています。
でも、再発や転移は、決して「頑張りが足りなかった結果」ではありません。
どれだけ治療を受け、生活に気を配っていても、残念ながら再発することはあります。
だからこそ、自分を責める必要はありません。
そして、再発や転移をしたからといって、人生がその瞬間に終わるわけでもありません。
これまで病院やサロンで、多くの患者さんと関わる中で教えていただいたことがあります。
それは、
どんな状況でも、その人らしく生きることはできる。
ということです。
私自身が教えていただいたこと
病院で勤務していた頃は、患者さんの容態が悪くなるたびに、
「もっと何かできたのではないか」
そんな思いを抱くことがありました。
状態が悪くなるほど関われることが少なくなるように感じ、その気持ちは、どこか敗北感にも似ていました。
しかし、セラピストとして独立した今は違います。
状態が変わっても、できることはなくなりません。
身体の痛みやこわばりを和らげること。
少しでも呼吸を楽にすること。
眠りやすい身体づくりをお手伝いすること。
不安や悲しみを安心して話せる場所であること。
その方らしい毎日を支える方法は、一つではありません。
最期まで寄り添えるセラピストでありたい
私は、再発や転移を経験された後も、
「来てよかった」
「話せてよかった」
そう思っていただける存在でありたいと思っています。
そのためには、身体の知識や技術だけでなく、心に寄り添う力も磨き続けたい。
試行錯誤を重ねながら、一人ひとりのお客様と向き合っていきたいと思います。
がんとともに歩む人生には、不安な日もあります。
それでも、その毎日の中に、少しでも笑顔や安心できる時間が増えるように。
「はんなり」は、これからも身体と心の両方に寄り添う場所であり続けたいと思っています。

理学療法士・ピンクリボンアドバイザー 中野郁子のプロフィール
福岡県久留米市の女性専用サロン「はんなり」代表。
病院で理学療法士として勤務する中で、乳がん術後やがん治療後の方々のリハビリに携わってきました。
退院後も続く痛みやつっぱり感、リンパ浮腫への不安、仕事や家事との両立、再発への心配など、「治療が終わっても続く悩み」があることを数多く見てきました。
現在は、理学療法士としての知識と経験に加え、ピンクリボンアドバイザーとして正しい情報をお伝えしながら、乳がんや婦人科がんを経験された女性、更年期世代の女性が、自分らしく毎日を過ごせるようサポートしています。
はんなりが目指しているのは、病気だけを見るケアではありません。
身体を整えることはもちろん、その先にある「暮らし」と「人生」に寄り添うこと。
そして、身体を整えることと同じくらい、「安心して話せること」を大切にしています。
治療だけが人生ではありません。
乳がんになっても、その人らしい人生は続いていきます。
痛みが少し和らぐこと。
腕が少し動かしやすくなること。
不安を安心に変えられること。
その小さな積み重ねが、毎日を心地よく、自分らしく生きる力になると信じています。
治療のその先も、その人らしく。
これからも理学療法士として、そしてピンクリボンアドバイザーとして、一人ひとりの人生にそっと寄り添いながら、皆さまを応援していきます。

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