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治療と暮らし

「がんスライバー」という言葉を知っていますか?|治療後も自分らしく暮らすために

「がんスライバー」という言葉を知っていますか?|治療後も自分らしく暮らすために

「がんサバイバー」という言葉を聞いたことがある方は、多いかもしれません。

最近では、「がんスライバー(Cancer Thriver)」という言葉も使われるようになってきました。

「サバイバー」と「スライバー」。

いったい、どんな違いがあるのでしょうか。

「がんスライバー」という言葉を知っていますか?

「Survive(サバイブ)」には、困難な状況を生き抜く、乗り越えるという意味があります。

一方、「Thrive(スライブ)」には、困難な状況の中でも、自分らしく生きる、よりよく生きる、成長していくといった意味があります。

そこから、

Survivor(サバイバー)=がんを経験した人

という言葉に対して、

Thriver(スライバー)=がんを経験しながらも、自分らしい人生や暮らしを大切にしていく人

という意味で、「がんスライバー」という言葉が使われることがあります。

ただ、ここで大切にしたいことがあります。

「がんスライバーにならなければいけない」ということではありません。

「スライバー」という言葉に、しっくりこない方がいても大丈夫です。

「前向きにならなくてはいけない」わけではない

がんと診断されたとき、

  • 前向きになれない
  • 治療が怖い
  • 再発が心配
  • 以前の生活に戻れるのかわからない
  • 治療が終わっても不安が続く

そんな気持ちになるのは、決しておかしなことではありません。

治療が終わっても、がんと向き合うことは終わりません。

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だから、

「がんスライバー=いつも明るく、前向きな人」ではありません。

がんを経験した人の中にも、悲しい日や不安な日、どうしても前を向けない日があります。

泣く日があってもいい。

立ち止まる日があってもいい。

「今日は何もしたくない」と思う日があってもいい。

それでも、自分のペースで一日一日を過ごしていく。

そんな生き方も、「自分らしく生きる」ということなのではないでしょうか。

治療が終わったあとにも、身体の変化はあります

乳がんの治療を終えたあとも、身体の変化を感じる方は少なくありません。

たとえば、

  • 肩や腕が動かしにくい
  • わきや胸につっぱり感がある
  • 腕や手のむくみが気になる
  • 疲れやすい
  • 痛みやしびれがある
  • ホルモン治療による不調がある
  • 眠りにくい
  • 体力がなかなか戻らない

など。

「治療が終わった=以前の身体に戻った」

とは限りません。

治療後も、身体的な変化だけでなく、不安や気持ちの揺れ、仕事や家族との関係など、さまざまなことと向き合うことがあります。

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だからこそ、「がんサバイバー」という言葉は、治療を終えて元気になった人だけを指すものではありません。

「がんサバイバー」は、治療が終わった人だけではありません

米国国立がん研究所(NCI)では、がんサバイバーを、

「がんと診断された時点から、生涯にわたる人」

という広い意味で捉えています。

現在治療を受けている人も、治療を終えた人も、がんとともに生活している人も含まれます。

つまり、

「治療が終わったから、もう何も心配しなくていい」

という単純なものではありません。

治療後にも身体や心の変化があるからこそ、その人に合ったサポートやケアが大切になります。

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「生きる」だけではなく、「どう暮らしたいか」

自然の中で穏やかに過ごす女性

がんになったあと、

「再発しないようにしなければ」

「健康に気をつけなければ」

「運動しなければ」

と、病気を中心に生活を考えてしまうことがあります。

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もちろん、治療や定期的な診察、健康管理は大切です。

でも、

病気を治すことだけが、人生のすべてではありません。

好きな場所へ出かける。

温泉旅行に行く。

仕事を続ける。

家族との時間を楽しむ。

本を読む。

おしゃれをする。

美容を楽しむ。

身体をいたわる。

疲れた日は、ゆっくり休む。

そんな小さな「自分らしい暮らし」も、大切な人生の一部です。

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そして、がんをきっかけに、

「そういえば、私はこれが好きだった」

「本当は、こんなことをしてみたかった」

と、これまで忙しさの中で忘れていた「好きなこと」や「やりたいこと」を思い出す方もいらっしゃいます。

病気を経験したからこそ、これからの時間をどう過ごしたいのかを考えるようになった。

そんな方もいるのではないでしょうか。

「元の自分に戻る」ではなく、「これからの自分」をつくる

朝の光の中で過ごす穏やかな時間

がんを経験すると、

「病気になる前の自分に戻りたい」

と思うことがあります。

身体も、生活も、気持ちも、

「以前のように戻りたい」

と思うのは自然なことです。

でも、必ずしも「元に戻る」ことだけが答えではないのかもしれません。

身体の変化や気持ちの変化を抱えながら、

今の自分に合った生活を、少しずつ見つけていく。

今できることを見つける。

無理なことは、無理をしない。

以前とは違う方法で楽しめることを探してみる。

それもまた、「これからの自分」をつくっていくことなのだと思います。

はんなりが大切にしていること

はんなりの落ち着いたプライベートサロン

がんになって、辛い気持ちを隠す必要はありません。

痛いときや苦しいときに、無理に前向きになろうとしなくても大丈夫です。

人生が後退したように感じる日もあるでしょう。

「サバイバー」という言葉にも、

「スライバー」という言葉にも、

どうしてもしっくりこないことがあるかもしれません。

それでも大丈夫です。

あなたがあなたらしく過ごせる時間は、病気になったからといってなくなるわけではありません。

時間をかけながら、今の自分に合う暮らしを探していけばいい。

身体のことも、心のことも、一人で抱え込まなくていい。

はんなりは、そんなふうに感じています。

「治療が終わったあとも、一人じゃない。」

その思いを大切に、がんを経験された女性の身体と心に寄り添っていきたいと思っています。

まとめ|あなたの人生は、がんだけではありません

がんを経験したからといって、

人生のすべてが「がん」になるわけではありません。

治療の日々も、その後の日々も、

あなたの人生の一部です。

闘病だけが、その人の人生ではない|乳がんを経験した女性に寄り添うということ

元気な日も、そうでない日も。

前を向ける日も、立ち止まりたい日も。

笑える日も、泣きたい日も。

その日、その日の自分を大切にしながら、

少しずつ、自分らしい暮らしを見つけていく。

それも、がんを経験したあとの人生のひとつの形なのだと思います。

「生きる」だけではなく、「どう生きたいか」。

その答えは、人それぞれです。

はんなりは、がんとともに生きる女性の身体と心に寄り添う場所として、これからもそばにいたいと思っています。

治療が終わったあとも、一人じゃない。

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中野 郁子

この記事を書いた人中野 郁子(なかの いくこ)

乳がん女性の駆け込み寺 はんなりを運営しています。
母をがんで亡くした後、がん患者さんとその家族を支える仕事がしたいと転職。
久留米市の病院に勤務後、2016年に開業しました。
理学療法士、アロマセラピスト、ピンクリボンアドバイザー、乳がん啓発運動指導士の資格があります。

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