乳がんの治療を経験すると、
治療がひと段落してからも、ふと先のことが心配になることがあります。
「もし、再発したら?」
「抗がん剤の副作用が、このまま残ったら?」
「リンパ浮腫になったら?」
考え始めると、心配事は次から次へと出てきます。
もちろん、不安になるのは自然なことです。
▶治療が終わっても、不安は終わらない|乳がん治療後の心に寄り添うケア
病気を経験したからこそ、
「もう二度とつらい思いをしたくない」
「できるだけ先のことを知って、備えておきたい」
そう思うこともあるでしょう。
でも私は、ときどきお客様にお伝えします。
まだ起きていないことまで、今日全部悩まなくてもいいですよ。
未来のことは、今はコントロールできない
再発するかどうか。
副作用がいつまで続くのか。
将来、リンパ浮腫になるのか。
未来のことを完全に予測したり、コントロールしたりすることはできません。
もちろん、定期的に診察を受けることや、今の身体の状態を知ること、気になる変化があれば医療者に相談することは大切です。
必要な備えまでやめる必要はありません。
でも、
「備えること」と「まだ起きていないことを何度も心配すること」は、少し違います。
先のことばかり考えていると、まだ起きていない出来事のために、今日の心まで疲れてしまうことがあります。
いったん、先のことは棚に上げる
私は「考えないようにしましょう」とは思いません。
考えないようにしようとするほど、かえって頭から離れなくなることもあります。
だから、
いったん棚に上げる。
そんな感覚でいいのではないでしょうか。

「そのことは、必要になったときにまた考えよう」
そうやって、一度脇に置いてみる。
そして、今、自分にできることに目を向けます。
今日は少し身体を動かしてみよう。
疲れているから早く休もう。
肩や腕が動かしにくいから、無理のない範囲で動かしてみよう。
気になる症状があるから、次の診察で聞いてみよう。
誰かに話を聞いてもらおう。
未来ではなく、今日の自分のためにできることならあります。
「なったら、また考える」でもいい
「もし再発したら?」
そのときは、そのときに医師と相談して考えましょう。
「リンパ浮腫になったら?」
そのときの状態に合わせて、必要なケアや治療を考えていきましょう。
「この症状がずっと残ったら?」
今できる対処をしながら、経過をみていきましょう。
医学も治療も変わっていきます。
そして、そのときのあなたには、今のあなたにはまだない情報や選択肢があるかもしれません。
だから、未来の自分が考えることまで、今の自分が全部引き受けなくてもいいのです。
そのときも、一人で考えなくていい
そして、もう一つ忘れないでほしいことがあります。
何かが起きたとき、
全部を一人で考えなくてもいいということです。
主治医や看護師、リハビリスタッフなど、相談できる医療者がいます。
家族や友人、同じ経験をした人に話すことが助けになる場合もあります。
はんなりも、治療が終わったあとの身体や生活について話せる場所のひとつでありたいと思っています。
治療が終わったあとも、一人じゃない。
これは、私がずっと大切にしていることです。
▶10年間、ありがとうございます|これからも女性の人生に寄り添う場所でありたい
今日を、未来の不安だけでいっぱいにしない
病気を経験したら、先のことが怖くなるのは当然だと思います。
だから、不安になっている自分を責める必要はありません。
ただ、その不安が大きくなってきたときには、
「これは、今日考えなければならないことかな?」
と、一度立ち止まってみてください。
今日できることなら、今日考える。
今日には答えが出ないことなら、いったん棚に上げる。
そして、必要になったら、そのときまた考える。
まだ起きていないことのために、今日まで苦しくならなくていい。
今できることに目を向けながら、
今日を過ごしていきましょう。
未来のことは、未来の自分と、そのとき周りにいる人たちにも少し任せていいのだと思います。
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