球体模様
乳がん術後の身体

「姿勢を矯正する」という言葉が、私はあまり好きではありません

「姿勢を矯正する」という言葉が、私はあまり好きではありません

「巻き肩だから、姿勢が悪いんです」

「猫背だから、ちゃんと姿勢を直さないと」

そんなふうに、ご自分の姿勢について話される方がいらっしゃいます。

まるで、姿勢が悪いことが自分の努力不足であるかのように。

でも私は、そんなにご自分の身体を責めなくてもいいのではないかと思っています。

「矯正」という言葉について

「矯正」には、曲がったものを正しく直す、欠点などを改める、といった意味があります。

歯列矯正や視力矯正など、医療の中でも一般的に使われる言葉です。

ただ、私は「姿勢」に対して使うときには、少し慎重になります。

「姿勢を矯正する」と聞くと、

今の姿勢は間違っていて、正しい姿勢に直さなければならない

そんな印象を受けることがあるからです。

では、そもそも「正しい姿勢」とは何でしょう。

誰にでも当てはまる「正しい姿勢」はない

人の身体は、一人ひとり違います。

身長や体格、骨格、筋力、年齢。

仕事や家事、育児などの生活習慣。

これまでに経験した病気や手術。

そして、その日の疲れや痛み、体調。

顔や性格が一人ひとり違うように、身体にも個性があります。

肩幅が広い人もいれば、狭い人もいる。
背中の丸みも、骨盤の形も、筋肉のつき方も違います。

だから、基準や標準から少し外れているからといって、それだけで「悪い姿勢」ということにはなりません。

それだけ違う人たちを、一つの「正しい姿勢」に当てはめることはできないと、私は思っています。

もちろん、身体への負担が少ない姿勢や、動きやすい身体の使い方を考えることは大切です。

でも、

「この角度でなければいけない」
「左右対称でなければいけない」
「胸を張って背筋を伸ばすのが正しい」

というものではないと、私は考えています。

▶あなたらしさは、あなたが決めていい

「姿勢が悪い」のではなく、そうせざるを得ない理由があるのかもしれない

仕事の合間に肩の力を抜いて休憩する女性

肩が前に入っている。

背中が丸くなっている。

身体が少し傾いている。

そんな姿勢にも、理由があることがあります。

痛いところをかばっているのかもしれません。

筋肉が緊張しているのかもしれません。

仕事や家事で、長時間同じ姿勢を続けているのかもしれません。

疲れていて、身体を起こしていること自体がつらいのかもしれません。

乳がんの手術後であれば、胸やわきのつっぱりや違和感から、無意識に患側をかばうような姿勢になることもあります。

▶乳がん手術後に腕が上がらない3つの原因とは?痛み・つっぱり・不安について

身体は、そのときの状態に合わせて姿勢を選んでいます。

だから私は、

「あなたの姿勢が悪い」とは考えません。

むしろ、

そういう姿勢をとらざるを得ないくらい、身体が頑張っているのかもしれない。

そう考えて、身体を見ています。

無理に胸を張らなくていい

「姿勢を良くしてください」と言われると、

胸を張って、
肩甲骨を寄せて、
背筋をピンと伸ばす。

そんな姿勢を思い浮かべる方も多いと思います。

けれど、それをずっと続けるのは疲れます。

姿勢は、固めて維持するものではありません。

乳がん術後の身体との付き合い方については、こちらに詳しく書いています。

▶乳がん術後のリハビリで大切なのは「ゆるめる」こと、そして「うごかす」こと

座ったり、立ったり、歩いたり。

前を向いたり、横を向いたり。

ときには背中を丸めたり。

人の身体は、本来、いろいろな姿勢を行ったり来たりしながら生活しています。

一つの「良い姿勢」を頑張って保つことよりも、

無理なく姿勢を変えられること。

私は、そちらのほうを大切にしています。

「正す」のではなく、「ゆるめる」

「身体をゆるめることを大切にしたはんなりの施術」

だから、はんなりでは、姿勢を無理に「矯正する」という考え方はしていません。

まずは、頑張り続けている身体をゆるめる。

呼吸をする。

肩の力を抜く。

固まっていたところを、少しずつ動かしてみる。

そうすると、

「さっきより肩が楽」

「自然に胸が開く」

「背筋を伸ばそうとしていないのに、身体が起きている」

そんな変化が起こることがあります。

外から形を作るのではなく、

身体が楽になった結果として、姿勢が変わっていく。

私は、そんな変化を大切にしたいと思っています。

あなたの身体を、悪者にしないで

「巻き肩だからダメ」

「猫背だからダメ」

「姿勢が悪いから痛くなった」

そんなふうに、ご自分の身体を責めなくても大丈夫です。

その姿勢には、その姿勢になった理由があるのかもしれません。

長い間、仕事を頑張ってきた身体。

家事や育児をしてきた身体。

治療を乗り越えてきた身体。

痛みや疲れを抱えながら、毎日の生活を続けてきた身体。

まずは、その身体を「直さなければならないもの」として見るのではなく、

「ずいぶん頑張ってきたね」と見てあげてもいいのではないでしょうか。

身体をゆるめて、少し動かして。

呼吸が楽になって。

肩の力が抜けて。

その先に、

あなたにとって無理のない、あなた本来の姿勢が見つかっていく。

はんなりでは、そんな身体との付き合い方を大切にしています。

あわせて読みたい

▶ 乳がん術後や治療中の痛みを我慢しないでください

▶ AI時代だからこそ、「触れること」を大切にしたい|乳がん術後の身体と向き合うために

はんなりについて

リラクゼーションサロンはんなりは、女性専用・完全予約制の個室サロンです。

乳がんの治療中・治療後の方にも、安心して過ごしていただける場所を目指しています。

施術を担当するのは、病院で乳がん術後のリハビリに携わってきた女性理学療法士です。

肩や腕のつっぱり、身体の疲れやむくみなど、その日の状態を伺いながら施術内容を調整します。

「まずは話を聞いてほしい」
「こんな状態でも受けられるのかな」

そんなご相談からでも大丈夫です。

西鉄久留米駅から徒歩約3分。
ご予約は下記の予約ページから承っています。

▶ 初めての方へ|はんなりでは、どんな時間を過ごすの?

▶ ご予約はこちら

中野 郁子

この記事を書いた人中野 郁子(なかの いくこ)

乳がん女性の駆け込み寺 はんなりを運営しています。
母をがんで亡くした後、がん患者さんとその家族を支える仕事がしたいと転職。
久留米市の病院に勤務後、2016年に開業しました。
理学療法士、アロマセラピスト、ピンクリボンアドバイザー、乳がん啓発運動指導士の資格があります。

よく読まれている記事

ご予約・お問い合わせ

お申し込みのほか、ご質問やご要望などありましたら、
お気軽にお問い合わせください。

お客様の使いやすい方法を
ご選択ください。

Web予約

からだのケア
24時間以内に返信いたします

Web予約

こころのケア
営業時間 10:00~18:00