「乳がんの治療を始めてから、頭痛が増えた気がする」
そんなお話を聞くことがあります。
乳がんそのものが直接、頭痛を起こしているとは限りません。
けれど、治療中はこれまでと生活が変わったり、薬の影響があったり、不安や緊張が続いたり……。
いくつものことが重なって、頭痛が起こりやすくなることがあります。
もともと頭痛がなかった方が、治療をきっかけに頭痛を感じるようになることもありますし、以前から片頭痛などがあった方は、治療中に症状が悪化することもあります。
「薬を飲んでいいのかな」と我慢してしまうことも
乳がんの治療中は、
「薬をたくさん飲んでいるから、頭痛薬まで飲んでいいのかな」
「治療中だから、鎮痛剤は我慢したほうがいいのかな」
と、痛みを我慢してしまう方もいらっしゃいます。
でも、頭痛を我慢し続ける必要はありません。
治療内容や血液検査の結果、肝臓・腎臓の状態、ほかに飲んでいる薬などによって、使いやすい鎮痛薬が変わることがあります。
市販薬も含めて、「この薬を飲んでも大丈夫ですか?」と主治医や薬剤師に確認することが安心につながります。
また、化学療法などのがん治療そのものが頭痛の原因になることもあります。
「薬を飲んではいけない」と自己判断するのではなく、治療チームに相談してみてくださいね。
乳がんの治療中に考えられる頭痛の原因
頭痛にはさまざまな種類があります。
ここでは、はんなりでお話を伺う中でも身近に感じることの多いものを紹介します。
1.ウィッグや帽子による締めつけ

治療中、ウィッグを使うようになった方も多いと思います。
ウィッグは毎日使うものだからこそ、
「少しきついけれど、こんなものかな」
と、そのまま使ってしまうことがあります。
特にこめかみや額まわりが締めつけられていると、不快感や痛みにつながることがあります。
まずは、ウィッグのサイズや装着方法を見直してみましょう。
そして、こめかみ周辺を指の腹でやさしく触れてみるのも一つです。
円を描くように、気持ちいいと感じる程度にゆっくり触れてみてください。
強く押す必要はありません。
2.肩や首、背中の緊張

乳がんの手術後は、
「手術した側の腕をかばってしまう」
「肩を動かすのが怖い」
「以前より運動量が減った」
ということがあります。
また、仕事や家事をしながら治療を続けることで、知らないうちに肩や背中に力が入っていることもあります。
こうした筋肉の緊張が頭痛に関係することがあります。
いわゆる緊張型頭痛では、頭を締めつけられるような痛みや、首・肩まわりのこりを伴うことがあります。
お風呂に入ったり、温めたり、ゆっくり休んだりすると楽になる場合には、筋肉の緊張が関係している可能性もあります。
ただし、「お風呂で楽になるから緊張型頭痛」と決めつけることはできません。
日頃の姿勢や運動不足なども含めて、少しずつ見直していけるとよいですね。
3.不安や緊張による「食いしばり」
乳がんと診断された後は、
「これからどうなるんだろう」
「再発しないかな」
「治療はいつまで続くんだろう」
そんな不安を抱えることがあります。
自分では落ち着いているつもりでも、身体には力が入っていることがあります。
その一つが、歯ぎしりや食いしばりです。
特に眠っている間は、自分では気づきにくいもの。
朝起きたときに、
- あごが疲れている
- 歯を食いしばっている感じがする
- こめかみが痛い
- 首や肩がこっている
という場合には、食いしばりが関係している可能性があります。
ホルモン療法では、ほてりや睡眠の問題などが起こることもあり、眠りの質が変化する方もいます。治療によるさまざまな変化が、間接的に頭痛につながることも考えられます。
あごの周りや首の筋肉が張っている場合には、そこをやさしくゆるめることで、リラックスしやすくなることがあります。
ただし、痛みの強いところを強く押す必要はありません。
ホルモン療法中の「肌」にも気をつけて
ホルモン療法を受けている方の中には、肌の乾燥などが気になる方もいます。
そのため、
「以前は大丈夫だった湿布で肌が赤くなった」
「貼ったところがかゆくなった」
ということもあります。
湿布などの外用剤で皮膚トラブルが起こった場合には、無理に使い続けず、医師や薬剤師に相談しましょう。
「頭痛がするから、とりあえず湿布を貼る」という対処が、かえって皮膚の負担になることもあります。
ただし、新しい頭痛は「肩こり」と決めつけないで
ここは、とても大切なところです。
乳がんの治療中や治療後に、これまでなかった頭痛が新しく始まった場合。
また、
「以前より明らかに強くなった」
「頭痛の回数が増えてきた」
「いつもと違う頭痛がする」
という場合には、一度主治医に相談してください。
乳がんの患者さんでは、頭痛が治療の副作用や片頭痛・緊張型頭痛などによる場合も多くあります。
一方で、乳がんが脳などに転移した場合にも、強い頭痛や視覚の変化、けいれんなどが症状として現れることがあります。
だからといって、頭痛=転移ということではありません。
むしろ、必要以上に怖がらず、
「今までなかった頭痛が出てきたので、一度相談してみよう」
くらいに考えていただけたらと思います。
特に、突然ものすごく強い頭痛が起こった場合や、意識がおかしい、手足の力が入りにくい・しびれる、話しにくい、見え方がおかしい、けいれんなどを伴う場合には、早急な医療機関での評価が必要です。
頭痛があるときこそ、自分にやさしく

治療中は、身体だけではなく心も緊張しやすい時期です。
ストレスを完全になくすことは難しいかもしれません。
だからこそ、
「今日はちょっと疲れているな」
「なんだか身体に力が入っているな」
と気づいたら、その分だけ自分にやさしくしてあげてください。
ゆっくりお風呂に入る。
深呼吸する。
少し身体を動かす。
眠る前にスマートフォンを見る時間を短くする。
ウィッグがきつくないか確認する。
肩や首に力が入っていないか気づいてあげる。
そんな小さなことでも、自分の身体に目を向けるきっかけになります。
はんなりでできること
はんなりでは、乳がんの治療中・治療後の方の身体を、できるだけリラックスした状態へ導けるようサポートしています。
肩や首、背中の緊張。
あご周りのこわばり。
こめかみ周辺の疲れ。
「最近、身体に力が入っている気がする」
そんなときには、身体をゆるめる時間をつくることも一つの方法です。
ただし、頭痛そのものをサロンで診断することはできません。
新しい頭痛や、いつもと違う頭痛、強くなっている頭痛があるときは、まず医療機関へ。
そのうえで、筋肉の緊張や疲れ、リラックスのためのケアとして、はんなりをご利用いただけたらと思います。
「治療中だから仕方ない」と、つらさを全部我慢しなくても大丈夫。
身体の小さな変化に気づいてあげることも、自分を大切にすることの一つです。
ゆるめる、うごかす。
そして、少し休む。
治療の時間も、その先の毎日も、できるだけ心地よく過ごせますように。
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